冬の恋人たち--軽井沢より

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zoom RSS No.5--「晩秋の軽井沢図書館」--冬の恋人たち(軽井沢より)

<<   作成日時 : 2005/06/16 12:46   >>

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 離山のふもとに軽井沢図書館はある。軽井沢駅からは西へ十八号線を五百メートルぐらい行ったところである。

入口には軽井沢郷土館があり、その前を通りすぎ、登りき

った時にはフーフー言ってしまいそうな、かなり急な坂道を

登っていくとニ階建ての建物が見えてくる。木々に囲まれ

ひっそりと佇んでいる。坂道の途中の色づいたもみじも見

事である。見上げるともみじの赤の隙間から真っ青な空が

見えている。秋の幸せを感じる。全身で。

雨の坂道もまた素敵である。木々が水滴で光輝き、結構強い雨脚が傘をたたく。中に入ると、暖かい空気が頬に触

れた。既に吐く息が白くなった季節に、図書館の中は暖かく、ほっとさせてくれる。テスト期間中なのか学生が点々と

座っているのが見える。聞こえる音は本をめくる音だけである。週末の土曜日は必ずここに行くことにしていた。

森の中の小さな図書館がとても気に入ったのだ。

 子供の頃、家の近くに「有三文庫」があった。「路傍の石」で有名な山本有三が住んでいた家を子供たちの為に図

書館にして開放してくれていた。入り口にはほんとうに「路傍の石」が置いてあった。直径1メートル、高さ80センチ

ぐらいだろうか。その頃は何の石なのかは知らずに登って遊んでいた。今考えるとなんて事をしていたのだと反省す

るばかりである。私は、その図書館に学校が終わるといつも行っていた。子供向けの本がいっぱいあったし、何よ

りも好きだったのはその建物である。大正時代に建てられた洋館は、十歳の少女にとって夢のお城であった。特に

二階へと続く階段は秘密の匂いがした。よく磨かれたこげ茶色の木の階段はギシギシと音がした。その先にはおと

ぎの世界が待っているようでいつもワクワクしながら二階へ行った。二階に置いてある本は少し上級生用であった。

そして、本を手にとってみるとプーンとかび臭い匂いがする。少し大人になったような気がした。なぜか軽井沢図書館

に来ると、子供の頃を想い出してしまう。そんな懐かしい空気が軽井沢図書館にはある。ふと、外を見ると、晩秋の

日暮れは早く、夕闇がせまっている。五冊ほど本を借り、図書館を出る。帰りの下り坂は勢いがつき、気分を明る

くしてくれる。そんなところに軽井沢図書館はある。



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